輪菊が結ぶ学校と地域・文化
10月12日、田原市若戸小学校にて、輪菊を生ける花びんを作る体験教室が行われると聞き、取材にお邪魔しました。
JA愛知みなみ輪菊部会では、今年6月、若戸小学校で「輪菊を育てるプロジェクト」と「染め輪菊で植物通り道を学ぶ」理科の授業を通して、輪菊の提供とともに子供たちに花の魅力を伝えるお手伝いをしてきました。
今回の授業では、「総合的な学習の時間」として、田原市で作陶活動をする高松和窯から4人の先生を迎え、6年生の担任の大羽先生の指導のもとに、輪菊を生ける花びん作り体験をします。
【渥美半島の歴史〜渥美古窯のこと〜】
平安時代末期から鎌倉時代の初めにかけて、渥美半島では陶器の生産が盛んにおこなわれていました。これらは「渥美古窯(あつみこよう)」と呼ばれ、600基を超える窯が作られ、日常生活用品や、宗教的意味を持つ製品が多数生産されていました。
高松和窯は、かつて地元で栄えた「渥美古窯」に魅せられた仲間が作った窯です。
子供たちは土から器を作るのは初めてとのことで、作業を前に、テーブルの上に用意された黒い土の塊にすでにワクワクしています。
先ずは粘土を板状に伸ばし、それを筒の型にくるくると巻きつけていきながら花びんの形を作っていきます。
形が出来上がると、今度はそれぞれがデザインした模様や絵を花びんに描く作業。
子供たちの横では担任の大羽先生や、髙橋先生、校長先生も自分用の花びん作りに真剣そのものです。
子供も大人も土を触り、想像しながら形を作っていく作業が楽しくてたまらない様子で、どの子も真っ直ぐな眼差しで生き生きと作業をしていました。
お気に入りのキャラクター、花の模様、自分の名前などが、高松和窯の先生たちのサポートで、ひとりひとりの思い描いたイメージの模様が形となり、自分だけの花びんが出来上がりました。
今日の作業は土から作る花びんの形と模様づくりまで。この後は乾燥させ、窯での焼成は11月中旬におこなわれます。
自分で作った花びんがあることで、家でも花のある暮らしをさらに楽しんでもらえそうです。焼き上がりがとっても楽しみですね。
輪菊が子供たちと地域の人との交流のかけはしになり、地元の歴史や文化を知るきっかけになっていることが、JA愛知みなみ輪菊部会として大変嬉しく思います。
若戸小学校の皆さん、高松和窯の皆さん、ありがとうございました。